大村市九条の会

会報 第25号

発行:2010年9月
加藤周一ドキュメンタリー映画の上映、近まる!

 加藤さんは「9条の会」の呼びかけ人の1人として、9条を守る運動に大きな影響力を持った人です。呼びかけ人が次々亡くなっていく中で、その人達の想いを受け継ぐのは私たちです。この映画から、戦中を生き抜いた加藤さんのメッセージを、映画を観て受け止めましょう。

上映作品
  「しかし、それだけではない」
        2009/ドキュメンタリー/鎌倉英也監督作品/95分

日時:2010年9月19日(日) @10:30〜 A12:30〜 B14:30〜
 <複数回の観賞可>

場所:長崎市民会館文化ホール

入場料一般・シニア      前売1000円(当日1200円)
     学生(大学生以下)  前売 500円(当日700円)


井上ひさし作「吉里吉里人(きりきりじん)」を秋の夜長にいかがですか?
〜その執筆動機はコメと憲法〜

 先ごろ亡くなった作家井上ひさしさんは、代表作の1つ「吉里吉里人」執筆の動機について「日本人はどうしてコメや憲法のことをちゃんと考えないのか」という疑問があったからだと語っています。(山形新聞2009年05月04日)  

 井上さんは、「戦後の食料難時代を経て、コメが多く収穫できるようになってから国が減反政策にシフトすることに『危機感を覚えた』。さらに、日本国憲法は押し付けられたもの−とする自主憲法制定の動きに疑問を持ったという。そこから『農業と憲法を大事にするムラがあったら』と「吉里吉里人」の構想を膨らませた。自らの創作の基本については、世の中の動きとは反対に動いて、疑ってみることと述べた。」(引用同上)  

 では、その概要はというと・・・岩手県内にある人口4187人の小さな町が、100%の食料自給率と世界最高水準の医療技術などを背景に、独立を宣言するという奇想天外な物語。1981(昭和56)年に刊行され、ベストセラーにもなりました。その原型は64年、NHKラジオで放送された「吉里吉里独立す」。  

 ちょっと長い読み物ですが、秋の夜長の読書にいかがでしょうか。 改めて井上さんの深い思想に裏打ちされた作品の面白さを味わえることでしょう。