「今回の衆議院議員選挙結果が「憲法改正」へと突き進む危惧を抱いて


掲載日:2014年12月21日

「今回の衆議院議員選挙結果が「憲法改正」へと突き進む危惧を抱いて <参考資料>

 大義なく、自らの政権延命のための解散との批判の中で強行された衆議院選挙(総選挙)でした。
** 議会制の母国であるイギリスでは2011年に、議会任期固定法が成立し、「解散権」は首相の専権事項ではなくなっています。

** 衆議院結果と憲法96条との関連資料
  有権者総数1億396万人。投票率は戦後最低の約53%。比例区における自民党の得票率は約33%だから全体としては17.5%の得票率。
  有権者総数T億396万×0.175≒1,819万人(信任は5〜6人に1人の割)
  自民党の獲得議席291議席(総議席の62%)。 公明党35人 与党議員 326人
 衆議院475議席に対し自公議員の占める割合 326÷475≒67%(3分の2超え)
 参議院242議席に対し、明確な護憲政党を「共産」「社民」と仮定すると参議院でも3分 の2を超える。→憲法改正原案の発議ができる

 小選挙区制、一票の格差など国民の意思が正確に反映されない選挙制度に対する訴訟は長年続いています。

 「違憲」との判決を出す判事は常に少数派であり、最高裁の最終的判決は今なお「違憲状態」に留まります。憲法が謳う平等原則とはかけ離れた現行の選挙制度は「違憲」であるとの明確な判断を下すことのできないような「司法」では、日本は三権分立などと言えません。

 選挙結果の大勢は与党、とりわけ自民党の勝利は開票途中でテレビ画面に踊りました。大勢が判明した14日夜、安倍首相は憲法改正に向けた議論の推進を表明しましたが、選挙中の街頭演説で安倍首相が自らの悲願ともいうべき「憲法改正」について、多くを語ることはありませんでした。

 名護市長選、総選挙で辺野古移設断固反対の意思を示した沖縄への選挙応援もありませんでした。 端っこに隠すように潜ませた公約を、承認を得たとして推し進めようとする安倍政権、自民党のやり方は「フェアー」でないの一語に尽きます。

  平和憲法の前に立ちはだかる改憲勢力が更に勢いを増した憂慮すべき現実です。 憲法条文11条、97条に、「現在及び将来の国民に」との文言があります。一人ひとりが、「護憲」の輪を拡げる自覚を持たねば次世代への責任を果たすことなどできるはずもありません。

 11月の憲法関連報道の最後尾に故キング牧師の「最大の悲劇は、悪人の圧政や残酷さではなく、善人の沈黙であるとの言葉を載せました。言葉の重みを噛みしめ、ご一緒に声を挙げましょう。

2014年12月21日  大村市九条の会 事務局