2015年9月5日開催、2015年度・第3回(通算62回)「集い」報告書

1 日時:9月5日 14:00〜16:00
2 会場:男女共同参画推進センター (福祉センター)3F 第3会議室
3 内容:慰安婦問題ほか先の大戦に関する ドキュメント報道の視聴


 秋の気配の深まりを肌で感じられる今日この頃ですが、国会では「戦争法案」を巡る攻防が最終局面を迎えます。  8月30日の「総がかり行動」は従来の組織動員によるものと違い、若いお母さんや学生さんなど幅広い一般市民参加による意思表示が全国津々浦々で展開されました。

  あらゆる階層で「法案反対」の声が沸き上がってはいますが、残念ながら参議院において与党による「強行採決」により法案追加は避けられない可能性が高い状況にあります。野党の踏ん張りに期待したいものです。

  しかし「法案」そのものが可決成立したとしても、翌日から法律が施行されるわけではありません。ひとたび燃え上がった「怒り」の炎を更に拡大し、反対運動の継続で「戦争法案の施行時期」をためらわせ、政府を追いつめなければなりません。

 国民の多くが疑念や不安を抱いたままの問題として、選挙制度による一票の格差問題、政党助成金問題、原発再稼働問題、沖縄基地問題など山積みです。  今回の運動を端緒に、承服しがたい政策には国民が一丸となって断固反対の意思表示で、「主権在民」のあるべき本来の姿を確立しなければならないと思います。

  報道機関には、「戦争法案」に賛成した議員名、もしくは「反対」した議員名をすべて公表してもらい、議員一人ひとりの「戦争法案」採決の際の立ち位置を明確にさせることが重要です。国民の民意だけが取り残された現在の日本の政策は「政・官・財。さらに軍が絡んだ」思惑だけが先行し、反映されているように思われてなりません。これでは「主権在民」「基本的人権」を柱とする憲法が泣きましょう。

 次の参院選挙、衆院選挙で「戦争法案」賛成候補者か、反対候補者かを最大の投票基準として「法案賛成議員」に厳しい結果を突きつけましょう。 政権交代が実現すれば「憲法解釈」を再び変えることは可能です。そうなれば「憲法96条」の規定が憲法改正に大きく立ちはだかってくれることでしょう。

 
「憲法」に守られてきた70年です。次は国民が「憲法」を守らねばならない時です。闘いはこれからです。

 核を含む軍事力の強化で抑止力を高めようと世界各国は「非生産的」軍事費という」資金として無駄にしています。世界中には貧困・飢餓のため多くの子供達が命を落としている状況は、その気さえあればいつでも目にすること ができます。

 その悲惨な環境の中でも必死に生きようとする子供達とその親に手を差し伸べたいとの気持ちが「軍拡路線」に歯止めをかける力として働かないのか不思議でなりません。  こうした願いを抱くことは所詮、人間の想像力、知性の限界を超えた「無いものねだり」でしょうか。  地球温暖化、大気汚染などと合わせ考えると人類の先行きは決して明るいものとは思えません。如何でしょうか。(文責:谷川)

「集い」には31名の方にご参加いただきました。
 涙ながらに体験を語られる数人のインドネシア女性の姿に会場は重苦しい雰囲気に包まれました。 慰安婦に関する記者会見における中曽根康弘元首相の事実を隠そう、自分の責任を逃れようとする卑劣極まる発言に、一国のリーダーを務めた政治家にしてこの不誠実さかと唖然とするばかりです。

 政治の世界には国民が想像さえし得ない、暗く深い闇の部分の存在を想像させるに十分でした。

参加者感想(順不同)
・ 戦争は人間を根底から変えうるのだと思いました。
・ 戦争前夜の状態だと思います。廃案にするため大人は全力を尽くすべき時です。
・ 日本人が犯した過去の負の部分を詳細に、正確に整理していかねばなりません。都合の悪い面を無視する勢力が幅を利かせつつある危険な状態にあるようです。日本人が過去にやってきた事実を忘れたとき、予想もしない国の姿が出てくるのではないかと案じられます。

・ 8・30の全国行動が日本の政治、主権在民など意識高揚に良い影響を与えていくと思います。今は行動出来ない若者も身に降りかかってくると分かり行動するでしょう。
・ 報道特集を初めて見ました。こうした報道資料は有益です。戦争の狂気性は日本民族の気質なのか問われます。 自衛隊OBの講演会を企画して欲しい。

・ 慰安所を中曽根元首相が青年将校時代に作ったと初めて知りました。周りの人にも伝えたいと思います。人の多いところで街宣行進したいですね。
・ 憲法は世界中の宝。宝の宝です。守らねばなりません。
・ 戦争の悲惨さは言葉では表せるものではありません。二度と起こしてはなりません。
以上

事務局より
 2004年10月26日に立ち上げた「大村市九条の会」は改憲派の着地点は「憲法九条」にあると見定めて、多くの方のご支援をいただきながら活動を続けてきましたが、一つの区切りの時を迎えます。

 この間に、「九条の会アピール」呼びかけ人9氏の内「井上ひさし1934〜2010」「奥平康弘(1929〜2015)」「小田実(1932〜2007)」「加藤周一(1919〜2008)」「鶴見俊輔(1922〜2015)」「三木睦子(1917〜2012)」の6氏が亡くなられました。 この方々のご遺志を継ぎ、「憲法」の崇高な精神を守り抜き、二度と戦争に加担することのないように、「微力だが無力ではない」を心に刻み歩んで行きます。

  今後とも宜しくご支援いただきますようお願い致します。次回「集い」については改めてご案内致します。健康にてお過ごし下さい。
2015年9月12日 「大村市九条の会」 事務局  
心に留め置きたい言葉 (第14回)
** 戦後という言葉がいつまでも続いてほしい    女優 吉永小百合氏
**いい戦争はない 戦争はすべて人殺し      作家 瀬戸内寂聴氏


(掲載日:2015年9月12日)