2008年12月7日「大村市九条の会」四周年記念の集いにあたり


「大村市九条の会・四周年記念の集い」にあたり
2008年12月7日 「大村市九条の会」代表  谷川成昭

  早や四年と言うべきか、はたまたまだ四年と言うべきでしょうか。  1925年、治安維持法が公布され、28年の改正では「国体変革」に対する厳罰化で死刑の追加や「取締まり範囲」が拡大される中、伊藤千代子、小林多喜二氏を始めとする多くの人達が命を賭して生き、そして殺された暗黒の時代がありました。

 その延長線上に軍部の台頭があり取り返しのつかない満州事変、支那事変(日中戦争)、太平洋戦争へと突入して行き、自国、他国を問わず多くの人達が戦争の犠牲となり尊い命が踏みにじられてきた歴史があります。 戦争とは常に「正義」、不朽の自由作戦(OEF(注1)=アフガン戦争で使われた)」などの美しい言葉で正当化されて始まり、「悲惨な犠牲と虚しさ」だけを残して終わる繰り返しだったとの歴史認識を誰もが抵抗なく共有すべき時ではないでしょうか。

 その教訓を生かすべく「主権在民」「平和主義」「基本的人権」を3本柱とする「日本国憲法」が誕生したはずです。 「平和主義」の象徴が憲法九条です。その九条が改悪されようとする事態を受けて04年6月10日、9名の方々により護憲運動の旗じるしとも言うべき「九条の会」アピールが東京から全国に向けて発信され、それに呼応する形で同年10月26日「大村市九条の会」が誕生しました。 以来「大村市九条の会」は今日まで「平和」を願う多くの皆様方のご賛同と温かいご支援をいただきまして四年目を迎えることができました。篤くお礼申し上げます。

  「大村市九条の会」では例年秋に結成記念の「集い」を開催しており、二周年記念は元長崎大学学長土山秀夫先生の講演会、三周年記念は一万人署名活動を続ける高校生を招いての「集い」でした。  今回の四周年記念には、「父が託した世界平和への切なる願い」と題して福本恵子様にお話をいただく「集い」を企画したところです。

  11月24日現在、全国に7,294の「九条の会」が立ち上がり、護憲の大きなうねりとなっていることは何にもまして心強いことではありますが、皆様ご存じの「田母神発言」に象徴されるように「憲法九条改悪=戦争のできる国」への布石は着々と進んでいることは明白です。 新たな決意で「九条の会」の裾野を拡げる運動を展開する正念場かと思われます。

  事務局としましては今後も一人でも多くの方に参加いただける「集い」を企画し、「平 和」を願う皆様方と心を一つにして「憲法九条」を守り抜いて行きたいと思います。 「大村市九条の会」賛同者拡大のために今後とも更なるご支援、ご協力の程を宜しく お願い申し上げます。

 今月5日、「九条の会」メンバーのお一人加藤周一氏(89歳)がお亡くなりになりました。昨年の小田実氏と相次いで護憲運動の良き指導者を失い残念でなりません。   心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

(注1)=「政権2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の報復として。首謀者と断定された国際テロ組織アルカイダを隠匿している疑いがあるとされた、アフガニスタンのタリバン政権に対して。アメリカ合衆国と英国により、2001年10月7日に開始された一連の軍事作戦の総称」。





(掲載日:2008年12月11日)