2010年度 第6回「集い」報告書


2011年2月26日開催、2010年度・第6回「集い」報告書
 今回は軍部の台頭、日中戦争から太平洋戦争に大きく動き始める先駆けとなる75年前の「2・26事件」と同じ日の開催となりました。

  日本国憲法の改悪に繋がりかねない非核三原則、武器輸出三原則の見直し論議や日米で共同開発した最新の兵器を初めて第三国に売るための準備が進んでいると報道されました。 加えて参院憲法審査会の規定議決への動きがあり、護憲運動の停滞は許されません。 先に「ご案内」しました通り、浄土真宗大谷派「西教寺」住職の田中顕彰昭氏をお招きしての「講演会」には33名の皆様に参加をいただきました。 「生きるってなんだろう」という演題で予定の1時間を越えて講演いただきました。

  自分ではそれと気づかない、私達の心に潜む差別心や偏見について、「損か得か 人間の物差し」「嘘か誠か 仏様の物差し」との言葉を借りてのお話から始まりました。 つい最近まで国家的規模で謂われなき差別、偏見が続いた「ハンセン病」では多くの国民 が「間違った情報」を鵜呑みにし、患者さんに冷たい目を向けてきた歴史があります。 熊本県菊池市の療養所で苦難の日々を過ごしてこられた患者さんとご自身の「ふれあい」についても語られました。

 続いて障害のある人達の心を歌う「わたぼうしコンサート」について紹介されました。 1975年に奈良県で始まった第1回の「わたぼうしコンサート」では山田康文君の詩が朗読されています。

*「わたぼうしコンサート」、山田康文君についての詳細は「わたぼうしコンサー」でご検索下さい。山田康文君の詩、「おかあさん、ぼくが生まれてごめんなさい」と、それを受けたお母さんの感動的な詩をお読みいただけます。

 講演内容は直接に「改憲反対や平和について」のお話ではありませんでした。しかし、紹介された幾つかのお話は、昔から受け継がれてきた大切な物が日々の生活の中で失われて行く危なかしさが平和維持の危うさに繋がるのではとの警鐘として語れたものと思われました。 始終笑顔での明るい語り口調とユーモアを交えたお話に会場は盛り上がり素晴らしい雰囲気の講演会になりました。  

  寄せられた感想文を二つ紹介します。

1)今の乱れきった社会に宗教がどのような役割を果たしているのか、果たしていけるのか。宗教がもっと生かされることを期待したい。

2)仏教やキリスト教が本来の教えに背くような戦争協力・皇道神格化を強いられた経過と戦争に加担したことの反省に立った具体的な現在の動きについての話が聞きたい。

* 他にも感銘を受けたとの声が多く寄せられました。 来年度、第一回「集い」を5月15日(日)に予定しています。4月25日頃に改めて当ホームページでご案内致します。   2011・3・1  「大村市九条の会」 事務局

(掲載日:2010年3月1日)