2012年、新年のご挨拶


明けましておめでとうございます

 世界に誇るべき「日本国憲法」の改悪に反対し、平和の願いを託して「九条の会」に集う全国の皆様方へ「大村市九条の会」より新年のご挨拶をお届けいたします。

  東日本大震災が引き金となり、チェルノブイリを越える原発事故に日本中が揺れ動いた2011年でした。 復旧、復興には途方もない時間と資金が必要なことは仕方のないことですが、放射能汚染による健康への影響、取りわけ子ども達への先々の健康被害が案じられます。

  こうした深刻な状況の下にあっても、「改憲」へ向けた地固めともいえる動きは止まりません。  昨年末には、自民党の憲法改正推進本部(本部長:保利耕輔元文相)が「憲法改定案」を取りまとめる起草委員会の初会合を開きました。 続いて「武器輸出三原則の緩和」を閣議決定、官房長官談話として発表されました。 これまでも「例外規定」を積み重ねながら三原則の骨抜きが計られてきましたが、今回の緩和は更に三原則を形骸化するものです。

 今なお世界各地で地域紛争、内戦が続いており、人を殺傷する武器市場への参入に繋がる「三原則の緩和」を容認することはできません。 武器輸出三原則は憲法九条が謳う「平和主義」を実効あらしめる必須原則の一つだと考えます。その三原則が空洞化、形骸化されることは、取りも直さず「日本国憲法」の空文化に繋がるもの と断じざるを得ません。

 日本国民は元より、平和を希求し「日本国憲法」を高く評価する世界各国の人々をも深く落胆させるものではないかと案じられます。 ある新聞の社説の一節に「平和国家のブランド力の意義、重みをどう考えているのか」とありました。正にその通りではないでしょうか。 歴史は振り返るだけのものではないはずです。戦争を知らない人が大多数の時代だからこそ、歴史から学ぶべきことは山ほどありましょう。

  「戦争の悲惨さを伝える」という言葉にはどちらかと言うと過去の出来事として振り返るとのニュアンスが強いのに対して、「悲惨な戦争を伝える」には先の戦争から得られた教訓を未来に生かさなければとの意味合いをより強く感じます。日本および世界の平和のために「日本国憲法九条」は掛け替えのない「至宝」のはずです。

 「悲惨な戦争」
を次の世代、またその次の世代にと伝えながら、全国の皆様方と「日本国憲法」を粘り強く守り抜く運動を進めて行きたいと念じております。宜しくご指導、ご支援下さい。  

2012年1月5日 「大村市九条の会」事務局

(掲載日:2012年1月5日)