憲法改正および憲法に深く係わる報道 (2012年7月分)


掲載日:2012年8月2日

憲法改正および憲法に深く係わる報道(2012年7月分) <参考資料>
 主に「NHKニュース」、「朝日新聞」の見出しを備忘録としてまとめたものです。今後ともご活用いただければ幸いです。

*1 「政界」「政治」の意味について、7月12日の朝日新聞「天声人語」に次の記載がありました。
     「政界」 → 「(不合理と金権とが物を言う)政治家の社会」 (新明解国語辞典)     
      「政治」 → 「主義主張の争いという美名のかげに正体を隠している利害関係の衝突」 米国人ビアスの著「悪魔の辞典」(岩波文庫)

*2 集団的自衛権について、2社の「社説 見出し」紹介。
    東京新聞:集団自衛権 解釈変更は認められぬ。 (7月14日付け)
    読売新聞:集団的自衛権 行使容認へ憲法解釈を見直せ。 (7月16日付け)  

*3
 「なくせ原発 7・29国会大包囲行動」に
   古賀茂明 氏(元経産省官僚、現大阪府市統合本部特別顧問)の発言。
  アメリカに『まだ事故原因がわからないのにオスプレイ配備を強行するのは国民の理解が得られない』と言っても、こう切り返されるだろう。 『福島事故の原因究明が終わらなくても大飯再稼働を強行し、17万人反対集会があっても平然としていられる野田総理なら理解してくれると思ったのに』。(本人のツイッタ−より) 

*4 新しい日本 憲法で描こう:批評家・作家の東浩紀氏を中心とした5人による護憲、改憲と違う視点からの憲法提案。(7月31日 朝日新聞)
   草案名:「新日本国憲法ゲンロン草案」 別名:「憲法2・0」 前文と全100条から成る。


前文
  わたしたち日本国民は、日本国が、単一の国土と単一の文化に閉じ込められるものではなく、その多様な歴史と伝統を共有する主権者たる国民と、その国土を生活の場として共有する住民のあいだの、相互の尊敬と不断の協力により運営され更新される精神的共同体であることを宣言する。わたしたちは、その前提のもと、日本国の伝統と文化的遺産を尊重し、国際情勢の変化、および生産と流通と情報通信技術の革新を考慮したうえで、以下の四つの理念を採用し、ここに新たな憲法を定め、国家の礎を築くものである。

  一、日本は公正な国でなければならない。わたしたち日本国民は、国政の権威は国民にのみ由来し、国権は国民の信託に基づく国民の代表が、国民および住民全体の幸福のために行使するものであることを確認する。その代表者を決定する権能について、国民はいかなる理由においても差別されてはならず、また政府は、論証しうる正当な理由なく国民および住民の自由を妨げてはならない。わたしたちは、その実現のために、わたしたちの国において、すべての憲法および法令が、その理由と効果について不断の国民の検証にたえる説明責任を負うことを宣言する。

  一、日本は平和な国でなければならない。わたしたち日本国民は、恒久の平和を念願し、平和を愛する諸国民の公正と信義とを信頼して、協力して世界の安全と生存を保持するとの決意をあらためて確認する。わたしたちは、世界の諸国民が恐怖と欠乏から免れ、平和と自由のうちに生存する権利を有するとの認識に立ち、その実現のために、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会の努力に、名誉ある役割を果たすことを希求する。

  一、日本は繁栄する国でなければならない。わたしたち日本国民は、経済的、文化的、社会的活動を広く興し、わたしたちの国が平和と安全のうちに繁栄することこそ、国民および住民の幸福の礎であることを確認する。わたしたちは、この繁栄は国民および住民の自主自律の判断に基づく選択の上に築かれることを認め、その自由な活動の振興に努め、また繁栄の果実を特定の世代にのみ独占させることなく、子孫の手に引き継ぐために尽力する。

  一、日本は開かれた国でなければならない。わたしたち日本国民は、長い歴史の中で世界中から集い、交わり、豊かなる文化と伝統の上に繁栄する国を築いた歴史を顧み、国の繁栄は、ひとえに自国のみならず、諸国民との協力の上に世界の繁栄にも与するためのものであることを確認する。この歴史を将来にわたり紡ぐため、わたしたちは、志を同じくする諸国民とともに、また国土を共有する多様な出自の住民とともに、繁栄を築き、長く歴史を歩んでいくことを決意する。

 新たな憲法は、国家の統治機構の設計と、国民および住民の基本権の保障から成っている。この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅は、いっさいその効力を有しない。また、この憲法が国民および住民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、現在および将来の国民および住民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものであることを確認する。  わたしたち日本国民は、全力を挙げて、この憲法に定められた崇高な理想と目的を達成し、諸国民の範となることを誓う。


  提案の主な特徴:
    (1) 日本国を「国民=日本国籍を持つ人」と「住民=日本に継続的に住む人」との「精神的共同体」と定義。
    (2) 二元首制:象徴元首(天皇)と統治元首(国民の直接投票で選ぶ=大統領的な存在)
    (3) 20条において「自衛隊を合憲化」   
    *「新日本国憲法ゲンロン草案」で検索すると草案全文を見ることが出来ます。
     *草案者が7月28日放映のテレビ朝日系「朝まで生テレビ」で護憲論者、改憲論者と討論。

(1)辺野古座り込み3千日:2004年4月19日、新基地建設阻止に向けた戦いが始まる。(7/5)
(2)原発事故は人災:国会の事故調査委員会は原発事故を「自然災害」ではなく「人災」と報告。(7/5)
(3)集団的自衛権「解釈変更を」:国家戦略会議フロンティア分科会が野田首相に報告書を提出。(7/6)
(4)集団的自衛権「行使は可能」:自民党は改憲しなくても集団的自衛権の行使を可能とする国家安全保障基本法案の概要を了承。政権をとれば法案を提出する考え。(7/6)

(5)オスプレイに欠陥:2000年の事故に関する国防省内部文書で自動回転能力に欠陥ありと明記(7/8)
(6)集団的自衛権について:衆院予算委員会で野田首相が政府内で議論も詰めていきたいと答弁。(7/9)
(7)「慰安婦」は重大な人権侵害:旧日本軍「慰安婦」問題について米国務省の報道部長が表明。(7/9)
(8)オスプレイが緊急着陸:日本に配備予定の同機が米国で訓練中に不具合が生じて緊急着陸。(7/12)

(9)「戦争」は時代遅れ。「必要」を上回る:ベトナム戦争時以後の湾岸戦争、イラク突入時のギャラップ社調査では「必要」が多かったが今年3月の調査で逆転。(7/13)
(10)参院選挙区定数:「一票の格差是正」抜本改革先送り。「4増4減」で民自公が合意の方向へ。(7/13)
(11)教科書採択に圧力:香川県議会で「教育基本法・・・に最も適した高等学校の教科書の採択を求める決議」が民自公の賛成で可決。「つくる会」系教科書採択の押しつけ。(7/14)
(12)大阪市「政治活動制限条例案」:反対世論、違憲批判を受けて「原則懲戒免職」を修正。(7/15)

(13)オスプレイのアフガニスタン事故:調査委員会に「内容を変更するよう」米軍の上層が圧力。(7/16)
(14)原発なくせ 17万人集会:16日、東京・代々木公園に原発ゼロを求める人々が結集。(7/16) 
(15)海上自衛隊の文書隠し:朝日新聞社説。隊員の自殺を巡る「破棄した」はずの文書見つかる。(7/17)
(16)首相の見通し甘い:沖縄へのオスプレイ配備について、配備延期を米側に求めない政府に「沖縄、山口の皆さんの民意を軽く考えていないか」と前原政調会長が批判。(7/18)

(17)危うい首相の発言:集団的自衛権の見直しを始め、対米防衛協力で前のめり姿勢が目立つ。(7/19)
(18)日本で貧しい子どもが増加:国連児童基金(ユニセフ)の発表では18才未満の子どもの貧困率は14.8%で先進国35ヶ国の中で下から9番目。年々貧困率は上昇。(7/22)
(19)オスプレイ 岩国搬入:米軍岩国基地に12機を陸揚げ。10月初旬には普天間で本格運用。(7/23)
(20)オスプレイの使用基地:三沢(青森)、横田(東京都多摩郡)、厚木(神奈川)基地も含む。(7/24)

(21)参院4増4減で合意:「一票の格差」を話し合う各党協議会で自民党が賛成する考えを示す。(7/26)
(22)政治活動制限条例可決:大阪市議会で市職員の勤務時間の内外を問わず制限する条例が可決。(7/27)
(23)PKO法案の今国会提出断念:野田首相が意欲を見せた「駆けつけ警護」を可能にする法案。(7/28)
(24)院選挙制度:自民党が0増5減案提出。小選挙区制の固定化と比例定数削減に繋がる懸念。(7/28)

(25)構想法案成立へ:対象は大阪、札幌、さいたま、千葉、横浜・川崎、名古屋、京都、神戸。(7/28)
(26)武器貿易の国連交渉:米国の妨害で決裂。90ヶ国がこれまでをベースに交渉継続を求める(7/29)
(27)脱原発の灯 国会包囲:3月末に300人でスタート。自主参加の17万人が政治に「ノー」(7/29)

2012年8月2日 「大村市九条の会」