特集 参院選挙結果(2013年7月21日)に対する三カ国主要メディア記事(要旨)


掲載日:2013年8月25日

特集 参院選挙結果(2013年7月21日)に対する三カ国主要メディア記事(要旨)

*先の参院選挙の結果は「改憲」勢力を後押しし、あらゆる分野において日増しに「改憲へむけた動き」が加速しています。 日本と重要な関係にある下記三カ国の報道記事は、日頃より「平和憲法」を守り抜きたいと「九条の会」を ご支援いただく全国の皆様方の想いと重なるものでしょう。「特集」としてお届け致します。
*、7月分「憲法関連報道記事」は近日中に更新致します。

(1)米国経済紙ウオール・ストリート・ジャーナル(電子版 21日)
 安倍首相について「国粋主義的な見解とタカ派の外交方針」との見出しで「日本による戦争の侵略を受 けた近隣諸国を激怒させ、日本と中国、韓国の関係を悪化させて米国の高官を懸念させている」、「野党に投票した人の多くは首相の経済政策や国粋主義的な傾向に同意していない」と分析。

(2)米紙ニューヨーク・タイムス(電子版 21日)
  「自衛隊よりも本格的な軍隊を持てるように反戦の憲法を書き換えて中国に対抗しようという安倍首相の あからさまな欲望は、彼が度を越して進み、日本をこの地域でさらに孤立させるという恐怖感を広げた」 と分析。選挙結果については「安倍首相の計画全体への無条件支持ではない。経済が悪化し始めれば国民の支持 は消滅する可能性がある」という専門家の発言を紹介。

(3)同紙、22日の社説
 「今回の選挙戦は経済政策をめぐるものだった」とした上で、「安倍首相は自身の右翼的外交見解が承認されたものと取るべきではない」とクギを刺した。 安倍政権の経済政策を指示する一方で、中国に対し「第二次世界大戦の傷に塩を掛けるのをやめるべき だ」と強調。 靖国神社やの参拝や軍事費増額などをあげ、「こうした政治的議論を引き起こす分野で強硬姿勢を貫くこ とは、経済的な進展や首相の安定的な指導性発揮の見通しを損なうことになる」と指摘。

(4)中国共産党機関紙・人民日報論評(22日付)
 安倍氏は政権に就いた半年間で歴史認識や領土問題で強硬な立場をとってきたと指摘した上で、「国際社会は、8月15日の終戦記念日や10月の秋季例大祭に靖国神社に参拝するかどうか注目している」と強調。更に、「一旦日本の平和憲法が改定されれば、日本の平和国家のイメージが損なわれるだけでなく、戦後日本の平和的発展のプロセスが打ち切られ、日本と周辺国家は再び戦争の泥沼に陥ることもありうる」との見解を示す。

 また、中国国営新華社通信は参院選挙結果を受け、「日本の右傾化が新段階に入ることを心配している」と指摘の上で、「安倍長期政権は、日本が政治、経済、外交、安保などの多くの領域で不確定期に入ったことを意味する。これは東アジアと世界の『悩みの種』になる」と伝える。

(5)韓国・中央日報(22日付社説)
 「白紙委任状をもらったと考えたら傲慢な錯覚だ」「右傾化の歩みを加速させるなら、安倍内閣は世論の逆風に遭う可能性が大きい。国際社会での孤立も深まる」とし、「行き詰まった日韓関係と日中関係をどう解きほぐしていくのか、よく考えるよう望む」と求める。

(6)韓国・朝鮮日報(22日付社説)
  「安倍の改憲」はアジア近隣諸国が日本に対して抱いている危惧と不信に火をつけることになるだろう」との懸念を表明。「安倍政権は北東アジア秩序の転換期のど真ん中に自らが立っている事実に留意すべきだ」と強調。

 また、韓国・東亜日報改憲の動きが早まる可能性がある」として、「この過程で侵略戦争などの過去を正当化し、教科書歪曲を本格化させれば、韓国や中国との摩擦が激化し、東アジア全体の緊張が高まらざるを得ない。」と警戒。

2013年8月25日  大村市九条の会 事務局