休  憩  室


五島・福江俳句会からの投稿作品その35


早鞆の不意の船笛初時雨 作:筑田俊夫
墨の香の藍の作務衣や初時雨 作:川野耐子
夜神楽や湯上りの香も座にまじり 作:坂口進
野仏の目鼻うすれて落葉道 作:澤本喜代子
          大野きゆうの碑
大野きゆう氏(本名・喜勇)。1874〜1947年(73歳)
 大正から昭和にかけ、俳句雑誌「ホトトギス」にたびたび入選するなど、高浜虚子から高い評価を受けた。世にあまり知られなかったが、船会社などに勤務した後、郷里の福江島に戻り、島の俳句界の発展に寄与した人物。

 「きゆうの俳句」4首
 あの辺も五嶋の内や遠山火
 雲雀野やここら嶋とも思はれず
 水論の夫の後ろに十字切る
 沖うらゝ知れる汽船も通らずや


 **大野きゆう句集「沖うらゝ」
   全275ページ グラビア6ページ 本人随想3題 430句余を収録 一部 (歳時記の例句採録句)解説入り

 評 伝 海と島に寄りそった生涯 内 海 紀 雄 著
       〜ホトトギス同人・大野きゆうの足跡をたどる〜

  1947年(昭和22年)1月、当時、ホトトギス九州七傑のひとりだった同い年の大野きゆうの訃報に驚いた高濱虚子は、疎開先の小諸から、急ぎ弔句を寄せました。
  冬ぬくき五島の島と聞きつるに 虚子

月川蘇七郎の墓

 
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