大村市九条の会

会報 第10号

発行:2006年3月
あの日の授業

【作詞】笠木透 【作曲】安川誠

1.あの日の先生は 輝いて見えた
  大きな声で教科書を読んでくださった
  ほとんど何も 分からなかったけれど
  心に刻まれた あの日の授業

〜語り〜
 「そこで、今度の憲法では日本の国が、決して二度と戦争をしないようにと、二つのことを決めました。

 その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさい持たないということです。これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。

 これを戦力の放棄といいます。『放棄』とは『捨ててしまう』ということです。しかし、みなさんは、決して心細く思うことはありません。日本は正しいことを、他の国より先に行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。」

2.あの日の先生は 熱っぽかった 
  これだけは決して 忘れてはいかんぞ
  あわをふいて ほえたり叫んだり
  心に刻まれた その日の授業

〜語り〜

 「もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、決して戦争によって、相手を負かして、自分のいいぶんをとおそうとないということを決めたのです。おだやかに相談して、決まりをつけようと云うのです。
 なぜならば、いくさをしかけることは、結局自分の国をほろぼすようなはめになるからです。

 また、戦争とまでゆかずとも、国の力で相手をおどかすようなことは、いっさいしないことに決めたのです。
 これを戦争の放棄というのです。

 そうして、よその国となかよくして、世界中の国がよい友達になってくれるようにすれば日本の国はさかえてゆけるのです」

3.あの日の先生は 涙ぐんでいた
  教え子を戦場へ 送ってしまった
  自らをせめて おられたのだろう
  今ごろ分かった あの日の授業

4.あの日の先生は 輝いて見えた
  大きな声で教科書を 読んでくださった
  ほとんど何も 分からなかったけれど
  心に刻まれた あの日の授業


 あの日の授業」は憲法制定50周年をうたった笠木透さんの作品ですが、この中の語りの部分は、「あたらしい憲法のはなし」がもとになっています。

 この本は、戦後間もない頃(1950〈昭和25年文部省発行)の文部省が作成し、中学校社会科第1学年用の副読本として全国の中学校に配布されたものです。

 この歌は当時中学生だった笠木さんの体験談でもあります。

 その笠木さんが、4月15日大村にやってきます。福祉施設アトリエぽれぽれ〈大村市〉の主催によるコンサートを行うのです。

 なお、3月19日(日)大村市九条の会でもミニコンサートを計画中です。