特集2 (2013年7〜8月分) |
掲載日:2013年9月28日 |
特集2(2013年7〜8月分) <参考資料> |
1)集団的自衛権に関する関係者発言(抜粋) (1) 坂田雅裕・元内閣法制局長官 法制局長官交代人事を受け、「集団的自衛権、認める論拠はない」「憲法解釈の変更は邪道」と指摘し て、平和主義や法治主義の観点から警鐘を鳴らす。 (8/9) (2) 前内閣法制局長の山本・新最高裁判事 就任会見で「憲法解釈変更難しい」「非常に難しい」と語る。(8/20) (3) 柳沢元内閣官房副長官 「個別的自衛権で十分」「中国、北朝鮮の動きは個別的自衛権で対応可能」 (8/30) (4) 第一次安倍内閣法制局長官 宮崎礼壱氏 集団的自衛権の解釈変更について「(法律上)ものすごく、根本的な不安定さ、脆弱性と問題点が残る。やめた方がいいというか、できない」と時事通信のインタビューで述べ、反対する考えを示す。 (8月27日 午後 法政大学において) *小松一郎・新内閣法制局長(前駐仏大使・集団的自衛家容認派) 内閣が「右」と考えているのに法制局が勝手に「左」と決めているというのは正しくない」と述べ、憲法解釈の変更は「内閣に決定権」があるとの認識を示す。 (8/26) |
2)行政の教育現場、教科書への不当介入(改憲の先取り的な動き) |
3)「はだしのゲン(漫画家 故中沢啓治氏著)」閲覧制限問題 発端は昨年8月に、「はだしのゲンには天皇陛下に対する屈辱、国家に対しての間違った解釈、ありもしない日本軍の蛮行が掲載されている」と、小中学校図書室から撤去せよとの陳情が市議会へ出されたものである。 これを受け、松江市教委は教育委員会議にも諮らず、閲覧制限を市内の小中学校に要請。これに対して 県内外から市教委への反対意見・抗議が相次ぎ、幅広い批判の声を受け島根県松江市教育委員会議で市教委の要請が撤回される。(8/26) *「はだしのゲン」は日本だけでなく、約20カ国語で出版され、世界中で愛読されています。 |
4)オリバー・ストーン氏 初来日 オリバー・ストーン氏略歴 1946年生まれ。67歳。ベトナム帰還兵。「原爆投下は必要なかった」と主張する米映画監督。 「プラトーン」「7月4日に生まれて」でアカデミー監督賞を2度受賞。 ケネディー大統領暗殺を取り上げた「JFK」など作品多数。 ドキュメンタリー作品「オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史(全10編 各50分)」 *NHKスペシャルでダイジェスト版(50分)が8月5日放映されました。 オリバー・ストーン氏は「原水爆禁止2013年世界大会(原爆追悼式典)」参加のため広島・長崎を訪れ、更には沖縄の普天間基地を視察。記者会見で述べられた示唆に富む言葉の一部を以下に紹介します (1)原爆に関しては、我々は全てが間違っていることを発見した。嘘をついたり、公式に否定したり、検閲 したりしていた。トルーマン大統領は原爆投下の理由を、「狂信的に抵抗を続ける日本を降伏させ数十万の米兵の命を救うためだった」と繰り返し説明したが、実は全部うそだった。 (2)日本を占領した米国のねじ曲がった戦争観に沿った歴史の見方の結果、日本国民はある意味、米国から 自立できなくなったのではないでしょうか。米国に意を唱えた日本の首相がいたでしょうか。 (3)日本人は自分の歴史を否定されてきた国民だが、アメリカ人も自分の歴史を否定してきた。どうしてか。 それは日本もアメリカも軍隊に支配されてきたからだ。アメリカは今も続いている。 (4)若い人たちにはエネルギーがあります。恐れることもない。皆さんの政府を変えて下さい。米国に染ま らず、米国との軍事同盟から脱退し、世界に対する道徳的な権威となり、東アジアに平和をもたらして欲しい。「脱オバマ」を追求して欲しいと思います。 以下は沖縄での発言と新聞記事の一部 (5)戦後約70年を経ても、冷戦時と全く変わらずに基地が居座り、戦争は終わっていないと感じた。 (6)米国は冷戦時と同じように中国の脅威をあおり、サンゴなどの住む美しい海を埋め立てようといる。非 常に馬鹿げたことであり、基地建設は恥ずべきことだ。 更に、「ベトナム戦争を経験した私にとって、とても興味深かった。復帰後も政治的な理由で、沖縄に米軍基地は居座り続けている。沖縄は日米に挟まれた厳しい状況にある」と話し、基地負担に苦しむ沖縄の現状に思いを寄せた。(8/14 地元新聞) 尚、各地でのインタビュー動画や翻訳した記事が多数あります。詳しくは「ネット」で見ることができます。 |
5)特定秘密の保護に関する法律案 安倍政権は、秋の臨時国会に「秘密保全法案」を提出し、情報管理の徹底を図る。守るべき秘密を(1)防衛 (2)外交 (3)安全脅威活動の防止 (4)テロ活動の防止の4つに分類。その内、特に高度な秘匿が必要と認めた情報を「特定秘密」に指定し、外部に漏らした公務員や政治家らに罰則を科す内容になっている。 この法案の問題点の主なものは以下の3点と考えられる。 (1)先に自民党が発表した「日本国憲法改正草案」において、第12条「国民の責務」、第21条「表現 の自由」、第29条「財産権」に見られる「公益及び公の秩序・・・」との文言同様に「特定秘密の範囲があいまい」で、政府の拡大解釈に歯止めがかからない可能性がある。 (2) 「特定秘密を指定」するのは、所轄官庁の大臣など「行政機関の長」であり、大臣や長官の判断一つで指定の乱発が危惧される。 たとえば、テロなどに関連すると判断されれば、原発の安全性や放射能の情報まで秘匿されることになりかねない。 (3) 「特定秘密」を知ろうとする働きかける行為も「漏えいの教唆」とみなされ、処罰の対象となれば報道機関の取材を制約し、国民の知る権利を奪いかねない。 |
2013年9月28日 大村市九条の会 事務局 |