2013年10月26日開催、2013年度・第4回(通算52回)「集い」報告書


2013年10月26日開催、2013年度・第4回(通算52回)「集い」報告書
  表記の「大村市九条の会の集い」は爽やかな秋日和に恵まれました。 内容は、この夏に話題を独占した感のあるオリバー・ストーン氏製作のドキュメンタリー「もう一つのアメリカ史」の視聴でした。

 オリバー氏は広島・長崎で開催の「原水爆禁止2013年世界大会」に参加のための初来日でした。 ベトナム戦争に従軍したオリバー氏がメガホンをとった数多くの映画はアメリカ始め各国で高い評価を得 ていることはご存知の通りです。 特にベトナム戦争を主題にした反戦映画「プラトーン」「7月4日に生まれて」の両作品はアカデミー賞に輝いています。今回の来日で広島・長崎・沖縄各会場での記者会見で述べられた記事の一部を以下に紹介します。

オリバー・ストーン氏略歴

 1946年生まれ。67歳。ベトナム帰還兵。「原爆投下は必要なかった」と主張する米映画監督。 「プラトーン」「7月4日に生まれて」以外にもケネディー大統領暗殺を取り上げた「JFK」など作品多数。 尚、ドキュメンタリー作品として「オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史(全10編 各50分)」 があります。

1) 原爆に関しては、我々は全てが間違っていることを発見した。嘘をついたり、公式に否定したり、検閲し たりしていた。トルーマン大統領は原爆投下の理由を、「狂信的に抵抗を続ける日本を降伏させ数十万の米兵の命を救うためだった」と繰り返し説明したが、実は全部うそだった。

2) 日本を占領した米国のねじ曲がった戦争観に沿った歴史の見方の結果、日本国民はある意味、国から自立 できなくなったのではないでしょうか。米国に異を唱えた日本の首相がいたでしょうか。

3) 日本人は自分の歴史を否定されてきた国民だが、アメリカ人も自分の歴史を否定してきた。どうしてか。それは日本もアメリカも軍隊に支配されてきたからだ。アメリカは今も続いている。

4) 若い人たちにはエネルギーがあります。恐れることもない。皆さんの政府を変えて下さい。米国に染ま らず、米国との軍事同盟から脱退し、世界に対する道徳的な権威となり、東アジアに平和をもたらして欲しい。「脱オバマ」を追求して欲しいと思います。

以下は沖縄での発言(新聞記事の一部)
5) 戦後約70年を経ても、冷戦時と全く変わらずに基地が居座り、戦争は終わっていないと感じた。

6) 米国は冷戦時と同じように中国の脅威をあおり、サンゴなどの住む美しい海を埋め立てようといる。非 常に馬鹿げたことであり、基地建設は恥ずべきことだ。 更に、「ベトナム戦争を経験した私にとって、とても興味深かった。復帰後も政治的な理由で、沖縄に米軍基地は居座り続けている。沖縄は日米に挟まれた厳しい状況にある」と話し、基地負担に苦しむ沖縄の現状に思いを寄せた。(8/14 地元新聞)

 視聴後の意見交換会では、オリバー氏への賞賛の声と共に「秘密保護法」の危険性などの声が多数聞かれました。以下に寄せられた感想文の一部を紹介して報告と致します。

感想文
(1)祖国アメリカを愛するが故に作品を通して歴史の真実を世に問うとの想いが伝わってきました。
(2)こうした勇気ある人が存在されることに感動しました。
(3)監督の映画が「アカデミー賞」という形で受け入れられるアメリカの懐の広さを感じました。
(4) キング牧師、ケネディー兄弟はじめ多くの人が暗殺された歴史があります。祖国を告発するオリバー監督が危害を加えられたり、殺されないことを祈ります。

事務局より
 「集い」で「秘密保護法」の学習会を計画して欲しいとの要望がだされました。「集団的自衛権」の憲法解釈の問題とも併せて検討してみます。 「大村市九条の会」の会員拡大と、市民へのアプローチのあり方も課題です。十周年に向けて取り組んで行かねばなりません。今後ともご支援下さい。 「大村市九条の会」 事務局

(掲載日:2013年10月31日)