2014年度、新年あいさつ       大村市九条の会


掲載日:2014年1月11日

2014年度 新年のご挨拶       大村市九条の会

 恒久の平和を願い、「九条の会」に集う全国の皆様に新年のご挨拶をお届けさせていただきます。

1)安倍首相が靖国参拝した12月26日は靖国に祀られている「英霊」とはなんの関係もない首相就任1年という日に過ぎません。 首相の「恒久平和への誓い」と題する談話には「不戦の誓いを堅持していく決意を新たにしてきた」との文言、更に「中国、韓国の人々を傷つけるつもりは全くない」とあります。

 しかし現政権が進める政策とどう整合するのでしょうか。 教育基本法改正を実効あらしめるための一連の教育諸制度の改革(道徳の教科化、教育委員会を首長の付属機関に位置づけ等々)、特定秘密保護法の強行採決に続き、共謀罪なる法案も現実味を帯びて迫りきます。

 これらの動きは、談話に散りばめられた美辞麗句とは裏腹に「戦前回帰」、「戦争のできる国」への一本道と危惧せざるを得ません。 格言「巧言令色鮮し仁」やフランス革命当時の政治家タレーランの「言葉が人間に与えられたのは、考えていることを偽るためである」との厳しい指摘が如何に的を射たものかを裏付けます。

 一例は1985年、中曽根元首相の「どの国にも国のために斃れた人に対して感謝を捧げる墓所がある。さもなくして、だれが国に命を捧げるか」との語りです。 靖国に祀り、英霊として称えることで「あとに続く国民を」との期待、願望が込められた靖国参拝。これこそが靖国派の本心でありましょう。

 しかし、国のかじ取りをする政治家諸氏には「歴史の記憶は弱者にある。それこそが伝えられるべき歴史である」との歴史認識の原点に立ち返って貰いたいと願わずにはいられません。 先の戦争を「正当化」するのではなく、ドイツと同様に真摯に反省することで近隣諸国の信頼を得、友好を深める次なるステップに踏み出すべきであり、靖国神社への参拝は国益に反する行為であると断じざるを得ません。

2)護憲運動を更に確かなものにするためには選挙制度の根本的な見直しが重要且つ急務だと考えます。民意を正しく反映していない小選挙区制、一票の格差問題は議会制民主主義の根幹に関わる問題です。故マンデラ南アフリカ元大統領の「民意の信託なき政府に統治の権限はない」との言葉は国家統治の大原則のはずです。国会を本来あるべき姿にするために、一人ひとりが意思表示をし、司法に対して「違憲・無効判決」を迫っていくことが必要だと考えます。

  厳しい情勢の続く一年が予想されますが、皆様と手を携えて平和な日本、平和な世界実現に微力を尽くしたいと願っております。 本年も変わらぬご指導、ご支援いただきますよう宜しくお願い致します。

2014年1月11日 「大村市九条の会」事務局(文責:谷川成昭)