2015年1月18日開催、2014年度・第5回(通算58回)「集い」報告書 |
2015年1月18日開催、2014年度・第5回(通算58回)「集い」報告書 |
2013年2月19〜21日。新婦人韓国スタディ・ツアーに参加し、侵略戦争と「慰安婦」問題の実相について学びながら、韓国女性団体との交流を深めてこられた大橋由紀子氏(長崎市在住)のお話を聞きました。報告に先立ち「DVD 15のときは戻らない(32分)」で、被害当事者の苦悩の証言とナヌムにおける生活ぶりを視聴しました。 大橋さまを含めた16都道府県からツアーに参加した31人の一行は温かく迎えられ、「ナヌムの家」所長の安信権氏の案内で施設内の見学とハルモニとの交流。その後、隣接する「歴史資料館」を見学。生々しい記録が展示されており、厳しい状況に置かれ、苦渋の日々を過ごされた当時の女性たちの想いが偲ばれて胸が詰まったと話されました。 準備いただいた資料「慰安所マップ」で、遠く北はサハリン、南はラバウルやビルマ(現ミャンマー)の拉孟<ビルマ戦線。大陸における日本軍玉砕の地、拉孟・謄越(らもう・とうえつ)の戦いとして知られる>など広範囲に数多く分布していたことが分かります。 戦争における最大の被害者・犠牲者は女性であること、申し出がないだけで日本本土や沖縄とりわけ宮古島の女性も多く犠牲になられたことなどの報告がありました。 これまで何度も見てこられたビデオのはずですが、こみ上げてくる感情を抑えきれずに画面に見入られる大橋さまを側でみていて、ハルモニの皆さまの悲しみ、怒りの想いがどれほどのものであったかが伝わってきました。 「戦争と女性の人権博物館」の説明、「ナヌムの家」敷地内にある老婆姿の像「大地の女」の紹介や、1000回以上続く「水曜集会」のことなどの他に、反省と謝罪が込められた「河野談話」の見直しを遠回しに表明する安倍政権を厳しく批判する想いを語られました。 日本が抱える歴史的課題について貴重な報告をいただいた大橋さまに参加者は拍手で感謝の気持ちを表しました。 |
尚、上記は報告いただいた一部に過ぎません。詳しくは次のビデオ、資料をネットで検索いただければ幸いです。 ビデオ「15のときは戻らない(10,800円)」「韓国・ナヌムの家/日本軍(慰安婦)(歴史観)」「女たちの戦争と平和資料館」など。 |
この後、事務局のU氏の編集による「河野談話」の内容についてパワーポイントを使っての説明を受けました。続いて5人の参加者が「慰安婦問題」についてのご意見を述べられました。 どなたのご意見も、寄せられ感想文も人権問題である「慰安婦問題」に対する怒りと、日韓関係に暗い影を落とす安倍政権の対応に対する強い不満・不信感が集約されたものでした。 |
米国においても日本政府の対応について危惧を抱いています。米議会調査局は日米関係の報告書で、安倍政権について「経済成長を積極的に加速しようとしてきた」と評価する一方、歴史問題では「周辺国との関係を悪化させ、米国の国益を損なわせたかもしれない」との懸念を示しています。 更に続けて、安倍首相を「ナショナリストとして知られる」と紹介。 これまでの首相の発言について、「日本帝国の他のアジアの国々への侵略や虐待を否定する歴史修正主義的視点を持っていることを示唆している」とも指摘しています。日本が進もうとしている前途の危うさを暗示する指摘でありましょう。 |
心に留め置きたい言葉(第4回) |
事務局より 米国始め世界の国々は、戦後70年「平和主義=戦争の放棄」を貫いてきた日本が戦前回帰に向かっているのではないかと大きな疑念・不安を持っている一方、当の日本国民の多くに危機感が沸き上がってこない事が残念です。 人間に与えられた「想像力」が宝の持ち腐れになっていないか心配です。 将来的に取り返しのつかない歴史的禍根を残す事態を生み出すことに直結するのではと憂慮されます。「九条の会」が為すべき使命の大きさを痛感します。 |
今回の「集い」参加者はいつもより少ない24名でしたが、初めて参加いただい方が3名、その内の2名の方に「会員」になっていただく嬉しい「集い」となりました。 |
「武器輸出3原則の緩和」「秘密保護法」「集団的自衛権」などの一連の流れの中で、テロに揺れる中東現地で難民支援だとして2億ドルの拠出を演出しても、衣の下に隠したものについては世界中の良識は見抜いているはずです。 改憲主義者に国の進路を委ねることは出来ません。皆様方のご支援をいただきながら「平和憲法」を守り抜くために活動を続けてまいります。 次回「集い」は2月下旬〜3月上旬に開催の予定です。改めてご案内致します。 |
(掲載日:2015年1月25日) |