2015年5月31日開催、2015年度・第1回(通算60回)「集い」報告書

1 日時:5月23日(土) 14:00〜16:30
2 会場:福祉センター 講習室(1F)

3 内容:講演会
 講師:木山景星(きやまけいせい)
 浄土真宗 本願寺派 真楽寺若院
 龍谷大学大学院文学研究所 仏教学専攻 卒業
 演題:戦後70年を思う

4 質疑応答、意見交換会


 若い「求道者」のお話を聞く今回の「集い」は期待した通りの新鮮な視点と、感性に満ちた内容でした。まず、人間一人ひとりの今の存在や、日々の生活の中で特に意識することのない「幸せ」は悠久の昔から多くの人々の困難と悲しみの上に、連綿と引き継がれてきたものと語られました。

 続いて、演題「戦後70年を思う」として、先の大戦における日本の加害者意識について触れられました。 サイパン島を例にとり、米軍に追いつめられた日本人婦女子が断崖から身を投じる自決ばかりが語り継がれてきたのではないか。 島を訪れる戦後世代の日本人観光客のどれほどが、日米の戦場となり、筆舌に尽くしがたい被害を被ったこの島の歴史、島民の受けた癒しがたい苦痛に心底から心を寄せてきたと言えるだろうかと問いかけられました。

 平和希求の想いが込められた「憲法」を日本人は「歓迎し、うなずいて」受け入れてきたはずです。その「憲 法」が危機にあり、「歴史は繰り返す」との言葉が現実味を帯び始めるのは、こうした加害者意識の欠如こそが、戦後70年を象徴しているのではと語られました。

 その他にも、宗教者の視点から「縁とは」「絆とは」など、時折、会場が笑いに包まれる楽しいお話などを交えながらのT時間の講演でした。
 (尚、参加者は30名でした。有難うございました)

感想文の紹介(順不同)
1 「絆」とは何か・・・・私が抱いていた違和感がスッと晴れた気がします。

2 激しい言葉ではなく、原子論より始まる話を興味深く且つ楽しく拝聴致しました。加害の面が語られていないのではとのお話が印象に残りました。 日本はもっと歴史を振り返った為政がなされなければならないと思いました。

3 講師のお話は分かりやすく新鮮でした。本音で正直に語られて共感できました。政治に関心のない人が多い 現状。もっと広く働きかけなくては。

4 若いのに年上の人間を前に立派な話でした。若い人にも学んで欲しい。

5 届けられた「集い」案内ハガキにあった「若き求道者」という紹介も然りと思いました。宗教者の透徹した目で見据えた良い講演でした。安倍政権は現在に咲くあだ花ではなく、生まれるべくして生まれていると思います。そのような社会の土壌をどうしたら変えられるか。そのことを皆で考えて行きたいと思いました。

6 戦後70年を見据えたお話に感動しました。日頃から親鸞聖人の教えと「九条」の精神は同じとの想いに確信が持てました。こうした話を多くの人が聞ける機会を心待ちにします。世の中の不条理に目覚めることの大切さを痛感しました。

事務局より
   安倍首相はアメリカ議会でとんでもない「約束」をしました。今国会では「戦争法案が審議されます。   憲法を無視し、解釈改憲で「戦争のできる国」へ向かえば、嘗て来た道を辿ること必然です。一人ひとりの力では、この流れに掉さすことは不可能ですが、「宝の憲法」を守るために国民の多くが心を一つにして結集しなければなりません。

 沖縄問題も重要です。翁長知事個人の力には限界があります。孤立させないよう本土と沖縄が一体になって物心両面でしっかりとサポートしましょうと呼びかけさせて頂きます。

  次回「集い」は7月を予定しています。改めてご案内致します。お身体に注意されまして鬱陶しい梅雨の時期をお乗り越え下さい。  2015年5月31日 「大村市九条の会」事務局


(掲載日:2015年5月31日)