2017年 新年のご挨拶


掲載日:2017年1月15日

2017年 新年のご挨拶

新しい年、2017年を健やかにお迎えの「九条の会」に集う全国の皆様方に西海の地、大村より連帯のご挨拶をお届けさせていただきます。

元旦の朝、大村の上空は雲一つない青空でした。見上げた瞬間に映画「日本の青空」が頭に浮かび、続いて憲法を変えたい人達の顔、顔・・・・が浮かんできました。

  満州事件以後、日中戦争、太平洋戦争と続く中、三千万もの無念の死を遂げた方々の尊い命の代償として生まれたのが「日本国憲法」であり「不戦の誓い・憲法九条」のはずです。

 僅か、70余年にして今や「戦争のできる国」へと転換し終えたかの如き状況を生み出したのは、敗戦直後に「昭和天皇はじめ重大な戦争遂行責任を負うべき人達に対して国民が曖昧(情緒的に消化内包)に対処してきたこと」と「国の政策を決定する国会議員の選出方法の歪み」、言葉を変えれば三権分立とは名ばかり、司法の独立性の欠如、官僚機構同様の栄達と保身優先体質が根本原因ではないでしょうか。(先の参院選挙における一票の格差訴訟に対する「高裁」の判断は違憲0、合憲6、違憲状態10

 しかし、当事者たちに全ての責任を転嫁することも正しくありません。「日本国憲法」では主権は国民 にあるとして成人男女に投票権が与えられています。 議員を選んだ国民、また選挙権を放棄してきた国民にも言い訳できない重大な責任があります。 「人間に理性と想像力が与えられているのは・・・・」というチェホフの格言があります。 故寺山修司氏も「人間に与えられた能力の最大のものは想像力である」旨の言葉を残しています。

 戦争を知らない国民が大勢を占める時代がゆえに、「悲惨な戦争」「戦争の悲惨さ」を想像しましょう。
「戦争のできる国」に回帰することを「してやった」と喜ぶのはどんな人達なのかを想像しましょう。

  琉球新報 1月3日付け黒柳徹子氏のインタビュー記事の一節に、 「平和憲法は絶対に変えてはいけない」 「だって今、いろんなことを決めている人たちは兵隊に行かない」ですものとあります。

 また、アメリカ先住民の皆さまの言い伝えに 「土地は先祖からの授かりものではなく、子供達からの預かりもの」だとあります。 私たちは時として、「子や孫の時代も平和を」と声を挙げますが、実は今の「平和」も未来の子供達からの預かりものなのかも知れません。

 「憲法九条」の危機的状況以外にも、「憲法の精神」に背を向ける深刻な問題が山積みです。 順不同をお許しいただいた上でその一部を挙げてみます。

* 地球温暖化はウイルス「大発生時代」の到来に直結し、人類に壊滅的被害。
* 沖縄の基地問題。オスプレイの危険性。ヘリパッド建設に抗議する住民を「土人」呼ばわり。
* 戦争法による「南スーダン派兵・駆けつけ警護」による「殺し、殺される」ことが現実味。

* 「TPP関連法成立」による国内の農業の衰退。農業は国の基幹産業。
* 原発関連では「関西電力高浜原発1、2号機の40年超運転認可」「四国電力伊方原発3号機再稼働」「九州電力川内原発1号機運転再開」「もんじゅの廃炉が決定するも、実証高速炉の開発を継続」「使用済み燃料の保管問題」など取り返しのつかない災害の危険性と莫大な費用の国民負担。

* カジノ法で経済の活性化をと強行採決。まともな大人の発想なのか。
* メディアを総動員した情報操作による国民の白痴化。
* 天皇退位について。特例で対応をと主張する有識者に天皇の真意、親心が伝わっているのか。

 「大村市九条の会」は今後も皆様方と共に「護憲」はじめ広汎な「平和活動」を続けてまいります。 子供達からの預かりものかも知れない大切な地球を傷めず、共に引き繋いで行きましょう。

2017年1月15日  大村市九条の会 事務局(文責:谷川)