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雑感
ドキュメント映画「どの政府もウソをつく」を視聴。今の日本政府の姿を重ね合わせて。
今回の「ドキュメント映画」は、ニクソン大統領の「ウォーターゲート事件」やジョンソン大統領時代のベトナム戦争の発端となる「トンキン湾事件」の自作自演など、数多くの場面で「ウソ」をつく関係者が映し出されます。 当人たちの「白々しい」顔でウソをつく姿を見て、人間が持つ本性の「闇の深さ」に底知れぬ戦慄を覚えます。
ジョンソン大統領はJ・F・ケネディー大統領の時の副大統領でした。もしケネディー大統領暗殺事件がなかったら、ベトナム戦争で多くの人が命を落とすことはなかったでしょう。 歴史を「もし・・・たら」と振り返っても無意味なのはスポーツなどの勝敗を結果論で語ることと同じです。 |
だからこそ同じ過ちを繰り返さないために私たちは歴史を学んでいるはずです。
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学徒動員、23歳で遭難殉職した「柳田陽一」氏は自らの日記に次のように記しています。国家の上に立つ者は自由主義を利己主義とはき違えないで欲しい。 歴史、歴史の真の姿を見つめること、歴史的現実の正視こそ我々が真に生きる道ではなかろうか。 「わだつみのこえ記念館」所蔵資料より一部抜粋
「ドキュメント映画」ではカメラに向かって語り掛ける多くのフリージャナリストの声を幾つか紹介します。 1 問題は大手メディアのほとんどが株主やスポンサーの顔色を窺う営利企業だということ。
2 フリージャナリストは良心をもって状況を有りのままを報道。利害関係に縛られない貴重な存在です。
3 報道の自由なんて幻想です。アメリカに国営のメディアはありませんが、あっても同じでしょう。
4 いくら批判しても大手メディアの体質は変えようがない。だからこそ企業に盾突く自由なメディアが必要なのです。 軍事企業をスポンサーにして戦争の実態に、エネルギー企業をスポンサーにして気候変動に、製薬会社をスポンサーにして医療問題に切り込むことは出来ません。だから、権力に対抗する勢力が必要なのです。権力の行き過ぎを正せるのはメディアだけです。
5 大手メディアは金儲けにしか興味ありません。そしてアメリカで金儲けするには社会問題に目をつぶらなくてはなりません。貧困層の苦しい生活は報道のネタになりません。
一方日本のメディアの実態はどうか。
政府の「ウソ発言」「真相隠蔽発言」はアメリカの一人舞台ではありません。戦前の政府も、戦後の日本政府も「同じ穴のムジナ」です。
戦前の「ウソ発言の横綱級」は「アッツ島」で起きた壮絶な戦いを国民に向けてラジオ放送で発信された「大本営発表の玉砕」でしょう。戦地の兵士(国民)を「見殺し」にする一方、更には「玉のように美しく砕ける」と美化して後に続く国民を鼓舞する「大本営発表」。人の為せることかと言葉を失います。 祖国、愛する家族のためと信じ、その身を捧げて戦った兵士の皆さん、そして「歓呼の声」で見送ったご家族が映像をご覧になったら、どんなお気持ちかと思うだけで胸詰まります。
戦後の横綱級を挙げるとすれば、今なお米国による実質支配下で基地問題に苦しむ沖縄に関する「密約」です。
佐藤元首相の下での日米安保条約における「沖縄への核持ち込み」密約問題です。この問題が公になった後に佐藤元首相の密使を務めたとされる若泉敬氏は自責の念から自死。また、基地地権者に対する土地原状回復費400万米ドルを、実際には日本国政府が肩代わりして、アメリカ合衆国に支払うという密約については、情報を掴み、毎日新聞社政治部記者漏洩で明るみになりました。 「密約」は「ウソ」発言で防御され続けたのです。これが横行するのでは「主権在民は幻想」に過ぎません。
直近の日本政府の「ウソ」「隠蔽」「誇大」発言の列挙には事欠きません。
直近の例では、森友学園問題の真相究明です。この学園に特別の配慮がなされたとすれば、それはこの学校に特殊な教育理念があったことが主な理由の一つであろうと推察するのが普通の感覚だと思います。森友学園問題に関連する稲田防衛大臣が国会で「教育勅語」を容認する答弁をしました。 「教育勅語」の12の徳目以外の項目に異を唱える人はまずいないでしょう。
「教育勅語」の狙いが最終の12項目、欽定憲法、天皇制の安定的持続にあることは歴然としています。それ以外は最終項目へ導くために散りばめられた巧みな助走に過ぎません。 稲田氏もそうした仕組まれた意図に気付かない人ではないはずです。とすれば、「都合の悪いことに言及しない」もしくは「真実を語らない」答弁であり、「ウソ」「隠蔽発言」であることは明白です。
追い打ちをかけるように「ウソ」と並ぶ「情報操作」が行われたようです。(2017年3月11日) 「南スーダンからの撤退」報道です。5月の撤退案件が何故この時期に報道されるのか。東日本大震災から6年目の今日に合わせての報道は、森友学園問題の「巧妙な疑惑隠し」「電波ジャック」と思わざるを得ません。
森友学園理事長の辞任劇の裏で大きな圧力による「トカゲのしっぽ切り」があったであろうことは。これまで同じことが繰り返されてきた歴史的事実を知る国民には見え見えです。権力者から見れば、日本国民は半年もすれば忘れてしまう「操作しやすい」対象なのに違いありません。言葉を変えれば、とことん「馬鹿」にされ、「侮辱」されているのです。
地位にしがみつき、自らの保身しか視野にない権力者の哀れさを曝け出している姿を目にする今、私たち国民の一人ひとりは、この国が重大な岐路に立っていることに気が付かねばならないと思います。 でなければ、後の世を生きる人達に対し、取り返しのつかない重大なる不幸を押し付けかねないのです。森友学園問題に対する「公明党」「大阪維新の会」の対応も納得のいくものではありません。
「すべての政府はウソをつく」「すべての権力者はウソをつく」のです。
日本の大手メディアが政府の発表を厳しく検証・精査せずに報道するのはアメリカと大同小異です。 商業新聞である以上、スポンサーを無視しえないのは宿命だとしても、物には限度というものがあります。
国民の信頼を得るには不十分な大手メディアの報道姿勢だと指摘せざるを得ません。 当然のことながら、大手メディア各社にも事案によって報道に温度差が生まれます。
政権が国民の目から逸らしたい事案、森友問題、豊洲市場問題、獣医学大学問題、被災地の帰還問題、原発再稼働などなどを各社がどのように取り扱うかに注視する必要があります。 参考までに森友学園への国有地売却関連の記事を扱っている件数を紹介します。(2017/2/21時点)
朝日新聞:17件 毎日新聞:13件 産経新聞:2件 読売新聞:1件 日本経済新聞:1件
ご覧の通りです。大手新聞社の報道の偏り方が顕著と言えるでしょう。国民に必要なのは、何が「ウソ」、「隠蔽」か、どれが真実により近い報道かを見通す力、想像力です。
日本にもアメリカと同様にフリージャナリストの活動が存在します。
特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの才覚や技能を提供することで、より正しい情報を提供してくれる人達で、略してフリーと呼ばれます。 その代表的存在は、「IWJ」です。ネット検索すれば無料で「ウソ」でない貴重な情報が得られることを紹 介しておきます。
また、最近は「ファクトチェック」が注目されています。首相はじめ政府要人の公の場における発言が「真実」なのか、「誇大表現」でないかを検証することです。とても重要な情報源だと思います。
例えば、安倍首相の発言
「憲法のどのような条文をどう変えていくかということについて、私の考えは(国会審議の場で)述べていないはずであります」「強行採決をしたことはない」などは明らかな「ウソ」です。
稲田防衛大臣の発言を検証すると、
南スーダンの自衛隊による日報において、昨年7月の大規模な交戦を「戦闘」と明記していたにもかかわらず、稲田朋美防衛相は頑として「衝突」と言い換えてきただけでなく、「戦闘」としなかったのは「憲法9条上の問題になるから」と平然と言ってのけました。
ここで、先に引用した「きけわだつみのこえ」資料に掲載の、学徒動員で入営し宮城県の「金華山」沖にて飛行訓練中に殉職した「宅嶋徳光」氏の「日記」の一部を紹介します。
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「必然的究極の論理に欠くる国民精神の薄弱さに不満を感ずる物である。そして理論なしに時流に合流する。・・・・・説話にも与えられるべき科学性のあることを強調したい。・・・非科学的な、つまり理解されえぬ物はことごとく排除される様に望む。そして・・・。これ以上は余りにも赤裸々な具体思想となる故、記すまい」
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B.C.660年即位とする神武天皇、それを起点とする皇紀表現、万世一系、現人神、男系天皇、神国、神風などなどの非科学性に疑いを持たない人たちが存在することを嘆き、嘆息した宅嶋徳光氏。若干20歳の時の日記です。
氏が言わんとすることは、確信的右翼思想の持ち主と思われる安倍首相、稲田防衛大臣はじめ「日本会議」に名を連ねる「天皇を戴く戦前の国体を望む」人達への痛烈な批判として今なお正鵠を得たものと思われます。
** 説話:伝えられた神話、伝説、昔話などの総称。
** 宅嶋徳光:詩人。「くちなしの花」や「白い勲章」は、戦後に多くのメディアで取り上げられ、出版もされている。手記のほかに歌謡曲の作詞も手掛け、作詞した曲は、戦後に渡哲也・美空ひばりに歌われて一世を風靡。
ゼロと1には無限の違いがあります。ゼロに何千、何万乗じてもやはりゼロですが、1に何千、何 万・・と乗じればどこまでも増えます。私達一人ひとりは微力ですが、無力ではありません。力を合わせれば大きな力になります。 政権を、権力を「監視し」「悪政には声を挙げ」て「平和憲法」の3原則を守り抜きましょう。
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2017年3月14日 「大村市九条の会」 代表 谷川成昭
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