2017年5月13日開催、2017年度・第1回(通算71回)「集い」報告書

 日時:5月13日(土)14:00〜16:00
 会場:男女参画センター 第T会議室(3F)
 内容:作家 辺見庸氏
(1944年 石巻市生まれ)出演のドキュメント
          〜中国に出兵した父に問う


 心地よい初夏の陽気に誘われてでしょうか、久しぶりに28名の参加を頂きました。

 安倍政権は九条改憲に向けての地ならしと思われる幾つかの法案を「閣議決定」し、国会に提出。十分な審議も為されないままに数の力で強行採決してきました。 その仕上げとも言える「共謀罪」も今国会で成立させると豪語しています。

 前回の「集い」で視聴して頂いた「すべての政府はウソをつく」と同様に戦争というものが如何にして引き起こされるかを捉えて、辺見氏は「歴史は相似的」に反復すると指摘します。

  その警鐘を前に、今を生きる私たちが、同じ過ちを起こさないために何がなしうるのでしょうか。  今回は参加者から貴重な感想が数多く寄せられました。以下に記載します。


参加いただいた方の感想文(順不同)

  「成り行きまかせ、没主体性」という言葉が胸に響きました。最初の頃は「何かしなければ」と思いながら、段々マンネリになって気力が続かず、諦めムードになっている自分がいます。  それを狙って国家権力は人民弾圧の方向へもっていくのでしょう。
    ポスト・トゥルーは日本が先行している気がします。福島第一原発に関する「アンダーコントロール発言」「南スーダンの首都は安定している」「原発安全宣言」「積極的平和主義」などなど然りです。   取り組みの原点は一人ひとりの足下からだと思います。

   戦争は人間を野獣に変える。戦場で兵隊さんと同心円の中にいたら、どう行動するかと思うと怖いです。
   人類が今後もどんなことを仕出かすのか想像できません。怖いです。
   安倍政権怖いです。「戦後生まれに先の大戦の責任はない」との趣旨の発言をした総務大臣は大嫌い。

   「南京大虐殺」は誇張だ、なかったとする声が大きくなっているとの辺見氏の指摘に同感です。「リアルな現場から世界を見上げよ」「低い視線から考えよ」。その通りです。
   歴史は繰り返す。螺旋階段の如しだと思う。今、第三次大戦のような情勢を感じます。学ぶことの大切さ、騙されない事、煽られないことが肝要です。
   戦犯東条英機以下が靖国に祀られているのはどうしたことでしょう。

  普通は「性善説」と言うのに、狂気の集団となったら残酷な人間に変わるのか。周りの声に断る勇気のない集団の怖さをしみじみと思いました。重い内容で気分が悪くなりました。
 10 ETVもなかなか良い番組を作るのですね。「歴史は相似的に反復する」その通りです。

 11 戦争を体験していないけれど戦後の苦しみは沢山経験しました。戦争は二度と起こして欲しくない。
 12 武田泰淳さんの短編を読んでみようと思います。
 13 今のままでは人類は、地球そのものがなくなるのでは恐怖さえ覚えます。


事務局より
 5月21日 午前6時30分、毎日新聞がネットで配信したニュースの見出しは以下の通りです。
   〈陛下〉退位議論に「ショック」 宮内庁幹部「生き方否定」

 上記の記事の詳細は、毎日新聞の< 陛下 退位議論に「ショック」 宮内庁幹部「生き方否定」>ページを参照願います。 下記からは、その概要紹介事務局の感想を書いています。

(上記のリンク先ページに)記載されている、特に留意すべき発言をピックアップしてみます。
   保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見。
   天皇は「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない。制度化でなければならない」と語り、 制度化を実現するよう求めた。「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」とも話していて、政府方 針に不満を示したという。

   宮内庁関係者は「陛下はやるせない気持ちになっていた。陛下のやってこられた活動を知らないのか」と話す。
   平川祐弘東京大名誉教授や渡部昇一上智大名誉教授(故人)ら保守系の専門家が、「天皇家は続くことと祈ることに意味がある。それ以上を天皇の役割と考えるのはいかがなものか」などと発言。
   陛下と個人的にも親しい関係者は「陛下対して失礼だ」と話す。

   保守系の主張は陛下の公務を不可欠ではないと位置づけた。陛下の生き方を「全否定する内容」(宮内庁幹部)だったため、陛下は強い不満を感じたとみられる。
   宮内庁幹部は陛下の不満を当然だとしたうえで、「陛下は抽象的に祈っているのではない」。一人一人の国民と向き合っていることが、国民の安寧と平穏を祈ることの血肉となっている。

この記事を書いた記者は次のように締めくくっている。

  陛下が、昨年8月に退位の意向がにじむおことばを表明したのは、憲法に規定された象徴天皇の意味を深く考え抜いた結果だ。被災地訪問など日々の公務と祈りによって、国民の理解と共感を新たにし続けなければ、天皇であり続けることはできないという強い思いがある。【遠山和宏】

  **「退位の有識者会議」とは
  天皇陛下が昨年8月、退位の意向がにじむおことばを公表したのを踏まえ、政府が設置。10月から議論を始めた。学者ら6人で構成し、正式名称は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」。


  尚、退位特例法案は19日に「閣議決定」され国会に提出。月内にも衆院で審議入り、今国会中に成立。

事務局の感想

 陛下の考えは宮内庁側の関係者を通じて首相官邸に伝えられていますが、不思議なことに、各新聞もNHK・民放ニュースでも全く触れませんでした。圧力がかかったのではないかとさえ思われる異様さです。   天皇が自分の事だけを考えての退位でないことぐらい高校生でも分かりそうなものです。

  これまでに何度も新聞社や放送局に意見を伝えてきました。  閣議決定がなされ、国会に送るとなって、いよいよ天皇も黙っていられなくなられたのではと思います。    有識者会議の結論は余りにも天皇のお気持ちを考えない愚かな内容だと思います。

  天皇を利用する事ばかり考える人間が、口先ばかり旨い事を口にするのに呆れてしまいます。  天皇を形だけ敬うような改憲派、日本会議の面々の「恥知らず」な姿には言葉もありません。

  森友、加計学園問題と質が違いますが、改憲により天皇を元首にと祭り上げたい安倍政権や日本会議の面々にとっては自らの「天皇制の悪用」が証明され、釈明しようのない、取り返しのつかない大失態ではないかと思われます。  明日は一斉にニュースとして流れればいいのですが。 万が一にも強権発動にメディアが屈したとかいう悲劇でないことを祈りたい思いです。(文責:谷川)

事務局よりお知らせ
  次回「集い」は7月に予定しています。若い高校生平和大使の方をお招きするよう準備に入ります。  また、10月には映画「スノーデン」の上映会を「良い映画を観る大村市民の会」主催で開催し、「集い」に変えたいと計画中です。  近づきましたら改めてご案内いたします。   2017年5月22日  「大村市九条の会」 事務局

(掲載日:2017年5月22日)