若い参加者にも共感をよんだ
ドイツ青年ロマン・バラバス氏の講演
悪天候の中、予想を上回る56名(中学生3名を含む)のご参加をいただきました。 兵役を拒否し昨年9月より「岡まさはる記念長崎平和記念館」で9ヶ月間の奉仕活動を続けてきたドイツ青年「ロマン・バラバス氏(21歳)」の講演内容および質疑に対する応答の概要を報告致します。(ロマン・バラバス氏の略歴:1986年ロシア生まれ。13歳でドイツに移住)
(1)ドイツでは第二次世界大戦における他国への加害行為に重点をおいた教育が行われている。 18歳になると兵役に関する書類が送付されてくるが、兵役拒否は保障されており、良心的拒否する若者は約半数程いる。(仕事に就いている者は兵役の義務はない) 兵役に就いた人の理由がお金だったと聞いたことはあるが、自分の周りで「行きたくて兵役を選んだ」と言う話は聞いたことがない。
(2) 戦争の悲惨さについては小さい頃から祖父・祖母の話を聞いていたし、学校の授業でも習っていたので、18歳になる前から兵役を拒否する意志を固めていた。
(3) 歴史教育の大切さについて
・戦争の実態を知れば戦争はできないはずだし、戦争は弱い人(一般市民)が被害者になるだけで良いことは何もない。
・日本ではドイツと違い南京大虐殺、朝鮮侵略、慰安婦問題、731部隊(石井部隊)などの加害行為より、原爆の被害を大きく教育しているように感じる。 又、強制連行された朝鮮人被害者の問題なども避けようとしているのではないか。戦争犠牲者に対しもっと配慮がなされるべきだと思う。
(4)日本人は戦争をしては駄目だと分かっていると思っていたが、そうとは言い切れないことを知った。
(5)ネオナチの事について耳にしたことはほとんどない。活動も目にしたことはない。
(6)日本人は平和のためにもっと頑張ったが良いと思うし、そうして欲しい。
(7)長崎に原爆以外にも「戦争」の悲惨さを伝える歴史館があって良いのではないか。 主催者としては言葉の問題が気掛かりでしたが、幾つかの聞き取りにくい発音も前後の脈絡から十分に推察でき、言葉の壁を感じることはありませんでした。むしろ質問者の語意を理解した上での応答に、日々の積極的な研鑽・努力の後が伝わってくる講演でした。
*1 ロマン氏が戦争について学習することの大切さを何回も強調したことが印象に残り、 日本は「平和憲法」を持つ国でありながら、学校における歴史教育、平和教育に対す る取り組みの不十分さを改めて痛感させられました。
*2 中学生の参加は初めてのことであり、次世代を背負う3名の若い参加者に会場から温かい拍手が湧きあがる「集い」となりました。 ※3 事務局としましても引き続き、若い人を含め多くの人を惹きつけるような魅力ある「憲法九条を守る集い」の企画を心がけてゆきたいと思いますので今後ともご支援下さいますようお願いしまして報告と致します。