2011年、新年のご挨拶


明けましておめでとうございます

 大荒れの年末・年始でしたが皆様方におかれましてはお変わりなく新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

  九条始め世界に誇るべき「日本国憲法」を守るために「九条の会」に集う全国の皆様方へ西海の地「大村市九条の会」より新年のご挨拶をお届けします。

  日米関係を更に深化させ、政権基盤を強化したい菅首相は、思わぬ支持率の低下に苦しんでいるようです。掲げたアド・バルーンは立派なものだったのでしょうが、財源問題、沖縄基地問題などの厳しい壁が行く手を阻んでいるのでしょう。

  ある程度は予測できた事態とは言え、政治不信のみならず人間不信にさえ及びかねない混迷深い世相に底知れぬ不安を抱くのは「護憲・平和運動」に係わる者だけではないはずです。 戦略兵器を削減する米ロの新核軍縮条約をアメリカ上院が批准し、ロシアの批准も目前とは言え、一瞬にして人類を滅ぼすに十分な核は依然として存在し続け、大きな脅威であることに変わりはありません。

 年末12月28日。NHKハイビジョン3で故小田実特集「小田実のこす言葉」「正義の戦争はあるのか」他3時間余に及ぶ番組が放映されましたが、病室で病と闘いながらも熱いメッセージを送り続ける「小田実氏」の姿に胸打たれた方も多かったことでしょう。 つづく小田実氏の「世界わが心の旅」のインタビューでドイツ政治学者の「戦争に敵、味方はない。戦争こそが敵だ」との言葉が印象的でした。

 最近の戦争では一般市民の犠牲者が兵士のそれを遙かに上回っていることはご存じの通りです。「正義の戦争」などあろうはずもありません。 さて、ここ最近再び改憲への「うごめき」を思わせる報道が目につきます。 「参院憲法審査会」の委員数や審議のルールなどを定めた規定の議決に向けた動きや国会議員定数削減、取りわけ衆院比例定数80議席削減案など改憲を視野に入れた具体的な地ならしとみるべきではないでしょうか。

 他にも「非核三原則」「武器輸出三原則」の見直し論議など、アメリカ追随の軍事大国化が現実味を帯びてきたと思えてなりません。 メディアの扱いも、再び来た道を歩み始める前兆なのではと危惧されてなりません が杞憂であることを願うばかりです。  「微力だが無力ではない」「一人で見る夢は、ただの夢。一緒に見る夢は現実となる(ジョン・レノン氏夫人オノ・ヨウコ氏)」との言葉を心に刻み、今年もまた皆様方と連帯して「護憲運動」を更に前進させたいと思います。宜しくご支援下さい。

2011年1月5日  「大村市九条の会」 谷川
              
(掲載日:2011年1月5日)