2011年度 第2回「集い」報告書


2011年8月28日開催、2011年度・第2回「集い」報告書       (注:このページ下段に<資料編>あり)
 あの忌まわしい東日本大震災の影響は半年を過ぎようとする現在も一向に収束の気配さえなく、むしろ放射能の汚染拡大はより深刻さを増しつつあるのではと心配されます。 被災地の皆様方の生活の不自由さは言うまでもなく、精神的な苦痛・苦悩は如何ばかりかと思われてなりません。

「失意の胸へは だれも踏み入ってはならない 自身が悩み苦しんだという よほどの特権を持たずしては・・・・・・」
19世紀の米国女性詩人「エミリー・ディキソン氏」の詩の一節です。

 確かに、何不自由なく日々を過ごす人間の「頑張って下さい」「負けないで下さい」「私達も応援します」「がんばろう!日本」といった言葉が被災者の皆様方にとって、どれほど「心の支え」「勇気」に繋がるのかと思ってしまいますが、それでも声援を送り、復興を祈り続けるしか私達にできることはありません。

  被災前の生活環境に戻るにはかなりの時間が必要でしょうが、被災地の皆様に一日も早く笑顔が戻ることを願うばかりです。

 今回、講師をお願いした高見健氏は現在長崎県議会議員として「環境生活委員会」副委員長、「予算特別委員会」および「アジア・国際戦略特別委員会」の委員として活動を続けておられます。

  県議団の一員として被災地に足を運んで目にされた現地の現状を「東日本大震災に学ぶ」との演題で
(1)東日本大震災の被害概要 
(2)人々の「絆」 
(3)被災地の復興に向けて 
(4)自然エネルギーへの転換 
(5)まとめ 
の順でお話をいただきました。

 長崎県は玄海原子力発電所(玄海原発)のある佐賀県東松浦郡と隣接しており、県民にとって「フクシマ」の原発事故は決して他人事ではありません。 玄海原発には1975年に稼働し、老朽化による差し迫った危険が懸念される1号機、更に2009年から日本初のプルサーマル発電を実施している3号機があります。

 参加者からも「原発」についての不安や今後の長崎県の対応に加え、身近な「諌早干拓」「空港の騒音問題、埋め立て問題」についての質問や要望が相次ぎました。 質問に答える講師の話の端々から県議会の様子なども知ることができました。参加者からは「良い催しだった」「充実した内容だった」との感想をいただきました。

 最後に講師、高見様より「護憲=平和」、「脱原発→再生エネルギーへの転換」に向けた運動を共に拡げて行きましょうとの力強い連帯の発言があり、今回「集い」の大きな成果となりました。

 *今年で11年目を迎えた高校生平和大使の皆さんが8月に「核廃絶の署名」6万9310人分をス イス・ジュネーブの国連欧州本部へ届けました。 私共の事務局員、Mさんのお孫さんが、平和大使の一人として国連でスピーチした内容が披露 され、会場から大きな拍手が送られました。

事務局より
(1) 参加者は前回より多い29名でしたが、満足出来る数ではありません。「改憲」に対する危機感が薄れているのではないかと心配です。参考までに別紙「資料」を準備しました。改憲派の動きに注視が必要です。

(2) 次回「集い」は10月中旬〜11月 の開催を予定しています。 開催が近づきましたら改めてご案内致します。皆様の参加をお待ちしております。

(3) 毎回、若い人の参加を願う声があります。周りの若い方にも是非お声掛け下さい。


   「微力だが無力ではない」との格言を胸に、手を携えて「平和憲法」を守りましょう。


<資料編>   第2回「集い」資料        2011・8・28
1 日本国憲法公布  1946年(S21年)11月3日  前文・103条
2   同  施行  1947年(S22年) 5月3日  
3 教育基本法公布・施行  1947年(S22年)3月31日  11条
4 教育基本法改正  2006年12月22日  18条
5 国民投票法公布  2007年5月18日  
6   同  施行  2010年5月18日  

憲法関連事項  
(1)憲法改正を目指す主な組織
 ・「憲法条項(第96条)改正を目指す議員連盟」(代表:小沢鋭仁民主党議員)
  改正発議の「三分の二」→「二分の一」にハードルを下げる。
 ・「新しい憲法をつくる国民会議(自主憲法制定国民会議)」(会長:清原淳平)
  ・「新憲法制定議員同盟」(会長:中曽根康弘元首相)
 ・「21世紀の日本と憲法」 民間憲法臨調(世話人:浅野一郎、櫻井よし子、中西輝政)  

(2)教科書問題
  来年度 中学校の全教科と高校の理科が検定対象で、使用教科書の採択は今年度8月が期限。
  「公民」教科書として歴史を歪曲(美化、正当化)した「自由社」と「育鵬社」を採択する教育委員会がある。 (一例:石垣市、与那国町は採択:8/27 竹富町は不採択:8/28 共に朝日新聞)

(3)「君が代」「日の丸」 ・ 「君が代強制訴訟」「諌早干拓判決」など憲法を遵守すべき立場の司法が機能しているのか。
 ・橋下府知事が率いる「大阪維新の会」が提出を狙う「教育基本条例案」「職員基本条例」は教育への露骨な政治、行政の介入であり、戦前の教育に対する反省が忘れられていないか。  

(4)「核」「靖国参拝」「A 級戦犯」など    
 ・石原発言:日本だって核実験やればいい。プルトニウムは山ほどある。
     同 :閣僚が「靖国」に参拝しないことについて「あいつらは日本人じゃないんじゃないか」
 ・野田財務大臣:A級戦犯と呼ばれた人達は戦争犯罪人ではない。戦犯は「ぬれぎぬ」であった。

※ 8月15日。天皇の「おことば」抜粋
  ここに歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

※ 特攻隊員、上原良司氏の紹介
    学徒出陣。1945年5月11日 沖縄嘉手納基地の米軍機動部隊に突入。享年22才
   「明日は自由主義者が一人この世から去っていきます」
            「きけ わだつみのこえ」巻頭に掲載された「所感」の一節より

(掲載日:2011年9月3日)