2012年1月29日開催、2011年度・第4回「集い」報告書
高校生平和大使報告会
大村市九条の会の第4回「集い」は真冬には珍しい暖かい日和に恵まれてました。今回の「集い」には「核廃絶」「平和」を目指す署名活動に参加しておられる佐世保市在住の4名の高校生の皆様に足をお運びいただきました。
「集い」で「高校生平和大使」として報告をいただく「山口紗喜さん」もそのお一人で、皆様方は「集い」が始まる前の約1時間、会場前で署名活動をなさいました。
歴史的には被爆地長崎から核の惨禍を知る「ナガサキ」の声を世界に伝えるために、未来を担う若者を「高校生平和大使」として国連に派遣することになりました。
1998年、1999年の初代、二代「高校生平和大使」はアメリカ・ニューヨークの国連本部へ、2000年以降は軍縮会議が開かれるスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪問し「核廃絶」と「平和」を願う署名を届けてきました。これまでに届けた署名総数は69万筆に及びます。
以下は「第14代高校生平和大使・山口紗喜さん」の報告内容概略です。
2011年8月。スイス・ジュネーブの欧州国連本部に8万63筆の署名を届けました。「高校生一万人署名」は国連で唯一承認されている署名で国際欧州本部の目につく場所に展示棚が設置されています。 尚、2011年11月に開設された常設原爆展にも署名名簿の一部が展示されています。
本部ではサレバ欧州軍縮局長と面会。局長からは「被爆者の声を消さないようにして欲しい」「高校生平和大使の存在が軍縮会議において良い刺激になれば嬉しい」と署名活動を高く評価する発言で応えて貰いました。 署名活動に対して必ず核抑止論が出てきますが、抑止論を越えて活動を拡げて行くことが必要だと思います。
又、須田全軍縮大使(当時)からは「カットオフ条約(FMCT)注1」に加入していないパキスタンの核兵器 についての提案には問題があるとのお話を聞くことができました。 スイスの首都ベルンでは1時間30分の署名活動で142名分の署名と、被災地への応援メッセージカード79枚という成果がありました。次いでオランダ アムステルダムにあるアンネ・フランクの隠れ家を訪問。
注1:カットオフ条約:すべての国において生産そのものを完全禁止するという条約で軍縮を実現する。
同年11月に再び国連欧州本部原爆常設展のオープニングセレモニーに参加。天野軍縮大使は「見た人が原爆の恐ろしさを知るだけでなく、これからの軍縮に理解を示すようになることを期待する」と語られました。 ジュネーブの近く、ニヨン市のニヨン高校の学生さんとの交流会では14才の時に三菱造船所で被爆された深堀繁美さん(80才)に対して、幾つかの質問がありました。
その一つ、「原爆を投下したアメリカが憎くはありませんか」との問に、「国と国の戦いの中でのことであり、個人的には恨んではいない」と答えられました。 一人のニヨン高校生から自分も署名活動をしたいとの声に「署名用紙」を預けてきた。これが新たな契機となり、署名活動が世界に拡がってゆくことを期待しながら、これからも「高校生一万人署名活動」を引き継いで行きたいと「平和」への熱い決意で報告を結ばれました。
「高校生平和大使報告会」という企画のためか、久し振りに40名を超える参加者でした。その後の意見交換会では参加者から、
(1)若い人達の平和への熱い想いを聞けて感動した
(2)これからの自分の進むべき方向の正しさに確信と新たな勇気をいただいた
との感極まる声が多くの方から続きました。
「憲法を守る運動」は容易ではありませんが、「大村市九条の会」は「微力だけど、無力じゃない」と肝に銘じながら次世代を生きる人達と力を合わせて運動の裾野を拡げて行きたいと思います。 次回「集い」を3月中旬に予定しています。改めてご案内致しますので、お誘い合わせの上でのご参加をお待ちしております。
2012年2月3日 「大村市九条の会」事務局
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