2014年9月6日開催、2014年度・第3回(通算56回)「集い」報告書


2014年9月6日開催、2014年度・第3回(通算56回)「集い」報告書
日時:9月6日(土) 14:00〜16:30
会場:男女参画共同センター 第T会議室(3F)
内容:(1)戦争・被災者の体験を聞く会
    (2)意見交換
 

 「集い」当日の天気は良好でしたが、指摘されている地球環境の悪化が原因でしょうか。夏の異常天候で各地に大きな災害が生じました。被災された皆さまにお見舞い申し上げます。

  今回、戦争や原爆被災の貴重な体験をお話し下さいましたのは、少女時代・青春時代を忌まわしい戦時下で過ごされ5名のご婦人方です。語りのお願いをした際には、「私のような者で良いのでしょうか」「上手く話せる自信はありません」「長くは話せません」などとお断りしたいとのご返事ばかりでした。

  辛く悲惨な記憶を語ることに抵抗がおありなのだと思いながらも、「秘密保護法」や「憲法の解釈改憲」により「戦争の出来る国」へ向かおうとする今こそ、貴重な体験を通して「戦争の悲惨さ」「悲惨な戦争」の実態を次の世代に語り継いで下さいと再度お願いをし,ご了承いただいたところです。

  「伝えたい」内容をお絞りいただき、10〜15分程度でとお願い、以下のようなタイトルをいただきました。ここで紹介出来るのはお話の内容のほんの一部です。

 戦時中、戦後の国民生活(Iさん 終戦時17才)
 最低限の食料配給さえも欠配し、飢えに苦しむ毎日だった。子育てする母親の苦労は並大抵ではなかった と思う。原爆投下時は疎開しており被災は免れたが、戦争は絶対に駄目だと語気を強められました。

 父の死に続いて母の死、叔父の死に続いてその3姉妹の死(Tさん 原爆投下時は小学校6年生)
  父は即死状態。母も10日後に後の事を気に掛けながら他界。佐賀の川上に疎開して過ごすも、その間に叔父の死、続く3姉妹の死という不幸が続いたと悲しそうに、辛そうに涙声で話されました。 二度と悲惨な原爆を落とさせないためにも憲法を守りたい。若い人たちに平和な社会を残すために皆さんと一緒に運動を続けて行きたいと結ばれました。

3 小国民教育の中で
(Nさん 小学校4年生の時に県内・北松で終戦)
 詳細な資料を準備いただき、戦争へ向かう時代の流れの中で、昭和16年3月に公布された「国民学校令」による皇民教育を受けてこられた実態を語られました。それは個人を否定する教育であり、二度と後戻りさせてはならない時代だと力説されました。

4 戦時中の追憶
(Nさん 終戦時17才 大連「ターリエン」生まれ。哈爾濱「ハルピン」で終戦)
 敵国語(英語)で書かれた書きものを隠しもっていた親友が厳しい叱責を受け、Nさんの励ましも空しく、自ら命を絶つという悲惨な過去の体験を言葉詰まりながらお話し下さいました。ソ連占領後は日本語の万歳を意味するウラー(ypa)と大声を上げさせられた屈辱も語られました。

5 公州女子師範学校で過ごした日々(Yさん 幼い頃は韓国・浦項市で過ごす)
 敗戦と同時に朝鮮の級友たちが、それまで公的には使えなかった朝鮮語で話し始めた。それまではアモジ (父親)、オムニ(母親)しか知らなかったので何を話しているか分からなかった。身体が弱かった自分は下級生から「サボリのお姉さん」と呼ばれていたが、「Yさん、無理するなよ」と声をかけてくださった担任の先生の優しい声が今でも耳に残ると、声も途切れ途切れに語られました。人の心が角のない地球のように丸いままであって欲しいとの願いを込められました。

 皆さまの語りが終了後に配布された資料について会場から以下の要望がありました。
(1)8月2日の「国際シンポジウム 核兵器廃絶への道 原点を見つめ、「核の傘を」を超える」に参加された石橋睦子氏の報告を聞きたい。尚、報告書は当ホームページで8月6日に掲載済

(2)「櫂」の創刊に関わられた茨木のり子氏の詩、「私が一番きれいだったとき」を朗読して欲しい。 要望を受けて石橋氏に当日の報告をお願いしました。また、「私が一番きれいだったとき(茨木のり子氏)」を山下さんが感情豊かに朗読されました。

寄せられた感想文
1、被爆者の方のお話を聞き、戦争による苦しみ、悲しみというものを切に思いました。

2、今日の「集い」はとても良かったです。戦前戦後の大変な時代を生き抜いてこられた方々のお話しをもっと聞きたいです。

3、歴史に学び、平和で安心して暮らせる世の中を守っていかねばと思います。

4、日本の教育が右傾化していくのがとても怖い。今のネット社会でのやり取りがどうなっていくのか。

5、アイパット、スマホなどで育った世代の将来が見えずに心配です。

事務局より
  お話しいただいた皆様にお礼の電話を入れました。異口同音に「大事なことを言い忘れた」「もっと言いたいことがあったような気がする」と悔いを残されたようでした。皆様のお話をテープで起こして貴重な記録として残したいと思います。

 「大村市九条の会 10周年記念講演会」の10月開催を準備中です。近々に「案内」を更新致します。ご参加をお待ちしております。  2014年9月19日   大村市九条の会 事務局

(掲載日:2014年9月19日)